挫・人間 blog


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あー


ぼくは高校1年生のとき彼女がいました。その彼女とはすぐ別れてしまうのですが、しかしまだ高校1年生だから卒業までには2年以上ある。すると、たまーにお互い1人の状態ですれちがうことがある。すごい独特の空間が発生する。なんか、そのときのことを思いだした。季節は秋で、いつもだったら音楽室でぶべんぶべんと、一体おまえはなんのためにそんなあほみたいに練習しているんだと、毎日学校が閉まるギリギリまでベースをひいて帰るはずなのに、(高校時代はベース弾いてました。)その日はなんでかHRが終わるとすぐ帰ろうと思った。1年3組のぼくは2組の横を通って、1組の横を通って、階段の横を通って、玄関について、靴をとって、さぁ帰ろうと思った。しかし自転車の鍵がないことに気が付いた。音楽室かなんかで落としたのかな?と思ったぼくは階段に戻り、階段を登って3階まで上がった。2年生のクラスの横を通って音楽室の2枚のドアをあけて音楽室に入り、鍵を見つけて、今日も誰も部活してないなー。と思って(毎日1人でした)、階段を降りて玄関に行こうとすると、むこうからあのこが来た。下をむいてた。学校指定のバッグに全然かわいくない青いリボンがついていた。
そのときはもうまったくそのこのこと好きじゃなかったんですが、なんだかむしょうに悲しくて、どうしようもなかったぼくは、当時大好きだったRADWIMPSを聴きながら自転車で帰った。大型バイクが急カーブを曲がるときみたいに車体を思いきり斜めにして田んぼと田んぼの間のカーブを曲がったりしながら帰った。

卒業式のときにひとりひとりスピーチしなきゃいけなくて、それがとても嫌だった。卒業式なんてついこのまえのことですが。ぼくの前の出席番号のやつがクラスで1番の人気者で、大爆笑をかっさらった。もう大盛り上がり。大団円。みんな笑い転げる。全員腹筋バキバキなる勢いで笑う。地獄だ。担任の中田先生が「次は、山口慎太朗!」と言う。今までの大盛り上がりが一瞬で静まる。おれはボルデモートかしら。名前を聞くだけでみんなが黙る。うしろに母親おるのに。焦りまくったぼくは「…あの…みなさん……一生懸命生きてください」とか言ってしまう始末。教卓のところで。まばらな拍手。速攻帰宅。「こんな馬鹿なやつらとはおさらばだぜ」とか思って速攻帰宅したんですが、今となっては速攻帰宅したの後悔しております。ほんとはずっと居たかったさー。ほんとはずっと居たかったよー。ちょっとしか話したことない人にも「ありがとね」ぐらい言えばよかった。きっともう会うことないのかもなー。ぼくが1番幼稚だったのだと、気付いたのはつい最近です。普通もっとはやく気付きますよね。いや、きっとまだ気付いてない。そしてまだ「同窓会とか誘われても行かんし」などと
いう発想が残っているのです。行きたいんじゃないのかい。行きたいんじゃないのかい。

高校卒業するときに「おれは過去を美化させたりせんぞー!ふんふん」と言っておりましたが、見事に美化しやがりました。しかしぼく高校、高校、高校、と、高校のことばっかり普段から言っておりまして、高校大好きだったんじゃないの?いや、大嫌いだったよ。だって、大嫌いだもん。ほんとに。

8月9日に熊本でライブをさせていただくわけですが、やはり故郷というものは特別ですね。死ぬほど泣くと思います。あの2両しかない豊肥本線の電車に乗って、乗ると必ず顔見知りがいるあの電車に乗って、「久しぶり」だなんて言いながら。新水前寺駅を目指すのでしょうか。

今僕はレポートに追われています。ブログなんか書いてしまって。キーボードパチパチ。東京で大学生になりました。
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フグオ

皆さんは「浦安鉄筋家族」というシリーズもののギャグ漫画に登場する「フグオ」という少年のことをご存知だろうか。
どう考えてもやりすぎだろってレベルのあからさまなデブキャラで、巻頭の人物紹介にも「デブ…デブ…デブ…!!」などとあり得ない紹介のされ方をした人物なのだ。
主人公の小鉄を始め、その同級生のフグオも小学生なのだけれど、小学生にもわかるような肉体派のギャグで人気を博した漫画で、フグオは基本的に暴走する食欲で笑いをとる「ありえねーデブ」って感じのキャラクターだった。
フグオはとにかくデブで、浦安市が雪に埋れたときも雪のうまさに気付き、雪を全部食べて浦安市を救うエピソードがあるほど、食い意地が張っている。

僕は小学生のころ、この浦安鉄筋家族を読むとき、小鉄の目線でこの漫画を読んでいた。
小鉄とは活発な男の子で、坊主頭の、やんちゃな小学生である。基本的に。
んでやっぱり主人公なので、小鉄の目線からみるとフグオは、デブおもしれーなのである。圧倒的な食欲。一目でわかるデブキャラ。でもクラスに一人はこういうやつがいるもので、運動会の徒競走ではいつもドベで、なんというか鈍臭い、モテなさそうな、食ってばかりいるやつ。
僕はもれなくこのポジションを光の速さで確保し、不動のものとしてしまった。
しかし、気付いていなかったのだ。自分がデブだとわかっているものの、こう思っていた。フグオみたいに死ぬほど食べたりしないし、言うほどデブじゃない、と。デブである。

僕は運動会のとき、気付いたのだ。
そう、まさに徒競走のとき、まだまだ暑い時期で、無意味に汗だくになりながら全校生徒保護者親戚方の前に、僕らの学年が門から勇ましい曲と共に行進してくる。
その中で一際輝くデブがこのおれだ。
そのころは人生のピーク時のデブだからしゃがむのもつらいので、地面に座り込み出番を待つ。僕は憂鬱だった。ドベじゃないことがなかったからだ。
「これから全校生徒保護者親戚の方々の前でおれは恥をかくのだ」
僕はこの小規模な社会のシステムと、それに順応していけない自分を呪った。それと同時に僕より速く走る奴らをその十倍くらい呪った。全員足腐れと思った。
「位置について、ヨーイ、」

この言葉を聞くと今でも冷や汗が出る。恐ろしい、呪いの言葉だ。呪われている。おれはこの言葉に。聞くだけでつらいからだ。これが呪いではなくてなんだと言うんだ。
僕は走りだした。なんか漫画で読んだような走り方で、せめて少しでも速く走るんだと思った。
僕のつま先が地面を蹴る。自分の持てる全ての力を振り絞り足を動かす。それでも前のやつとの距離は埋まらない、開いていく距離。開けば開くほど、周りが見える。皆が僕をみている。皆が僕を笑っているはずだ。

そのとき僕は身体が空中に浮いた。情けないくらい、転ぶときもゆっくり転んだ。
このまま、立ち上がる前に世界が終わればいいんだと思った。
しかし現実はそううまくもいかず、立ち上がり、白線までは走るしかないのだ。
僕は立ち上がる。
「ヨーイ、ドン」
惨過ぎる。時間の関係である程度ゴールしたら次の走者に走らせねばならなくて、まだゴールしてない僕の後ろから、鬼のような形相でクラスメイトが走ってくる。
哀れだ。どうしてこんな酷い目にあわなきゃいけないんだろうか、と考えている暇はなかった。今は一刻も早く後ろから来る奴らから逃げなければ。

「下川くん、立ち上がりました。がんばってください」

放送委員が感情もなく言う。

「下川くん、がんばってください」

うるさいよ

「下川くん、がんばっています」
「下川、がんばれえ」
「はやいはやい」
「あとすこし、あとすこし」
「下川くん、がんばってください。下川くん、がんばってください。下川くん、がんばってください。下川くん、がんばってください。下川くん、がんばってください。下川くん、がんばってください。下川くん、がんばってください。下川くん、がんばってください。下川くん、がんばってください。」

おれはそこでよーーーやく気付いた。いくらなんでも遅過ぎた。全校生徒保護者親戚の方々、というか両親や妹のみている前で、おれはフグオのように「デブキャラ」を求められているんだ!デブが転んだらうれしいぜ。デブがちゃんと転んだデブ。だから応援するデブよ!転んだデブを応援するのは楽しいぜ。デブ、おなかゆらして走っちゃって、かわいいなあ。

楽しいだろう、だっておまえら、デブじゃないんだもんな。おれだってフグオのこと笑ってたとも。だって自分が皆からみたらフグオだなんて気づけなかったんだよ。
僕は後ろから来た走者に追い抜かれて、ダントツドベでゴールした。
先にゴールしてた奴らはみんなもう自分の順位のところに集まっている。
下川よくがんばったな。(デブなのに)
下川ドンマイ!
おれは赤ん坊か。惨めだ。
ドベのところの旗の元に座り込んで、僕は言った。

「早くアイス食べたいキャプー」
と、満面の笑みで、
すると皆笑ってくれたし、僕も悪い気は不思議としなかったよ。

誰だって小鉄みたいに主人公として存在したくて、みんなそういうつもりでいるけれど、全員が小鉄だなんてあり得ないんだ。
小鉄がひとりいたら、フグオだって絶対にそこにいるんだ。
僕はたまたま、フグオだったんだ。ハズレくじをひいたみたいだった。
自分の人生が、ハズレくじだったのだと気付いた瞬間だった。
下川くん、がんばってください。フグオのままで。君がちゃんとフグオしてたら、ちゃんとデブキャラとしても、生きていけるよ。
でも、それは嫌じゃないか。なんでおれは小鉄じゃないんだ。女の子に好かれたいとか、そういうスタート地点にも立てないのか。デブキャラのままで、でも下川くんはそれでいいよー。だって下川くん変わっちゃったら嫌だもん。おまえはどういうつもりでそんなことを言うんだ。都合がいいよなデブで。フグオ枠はおれがいるから、ちょっとやそっとじゃデブキャラにはならないよな。くそっ、全員呪ってやる。カッターで切ってやる。くそくそくそくそ。

という怒りに満ち溢れていた小学生時代を、フグオをみると思い出すのです。たぶんフグオは、僕と同い年くらいになったら、デブだけど、プーさんとか言われるちょっとやんちゃな感じで、なんだかんだで彼女とかもできるんだ。何故ならデブキャラとして生きて、デブキャラの持ち味を活かして生きていくだろうから。僕はそれが嫌で、できなくて中途半端に抵抗したりしたから、なんかよくわからないままの大人になってしまった。昔よりは確かにかなり痩せたけれど、フグオをみるといつも思い出すのです。

右手の罪を左手が贖う

十代で自殺してしまった少女の書いた短編で、チョコレートパフェはグチャグチャに混ぜて食べるのが一番おいしいと、女の子が言ってたのを覚えている。
恋人が簡単にグチャグチャになって死んじゃって、でもグチャグチャになっちゃったひとの言葉を信じるって。

僕は甘いのをたくさんたべるとすぐに気持ち悪くなるのでチョコレートパフェをたべることはないけど、カレーはグチャグチャに混ぜて食べるのがおいしい。たぶん同じことだ。それはたぶん悲しいことだけどね。
グチャグチャにせずに食べるのは難しい。いつも色々と考えて結局バランスが悪い。たぶん僕が生まれたときから渡ってるはずの危なげなロープも、最初からずっとありえないバランスでなんとかなりたってるにすぎない。

僕はずっと21世紀の引きこもり少年で、ネットの中の社会で生きることに中高の学生生活を費やした。
僕は中学受験して、県で一番頭のいい私立の学校に入学。それで一気に堕落した。
中学のとき、国語の先生が授業の最初の十分で少しずつ読ませた「車輪の下」は衝撃的で、完全に先生から僕へのメッセージだと思った。みんながハイルナーにホモ疑惑をかけてる中、適当に笑いながらなんてくだらない奴らなんだろうと考え、よく考えれば自分が一番くだらないじゃないかと絶望し立ち上がれず、何をしたらいいかまったくわからず暗い出口のないトンネルを彷徨うようだった。
僕がヘッセの書くハンスだったら、まだハイルナーにも出会っていないのに僕は勝手に堕落した。文学とパンクとネットに没頭するある意味不良中学生だった。
ネットで同世代の奴を探すと、みんな学生生活がうまくいかず、学生生活どころか、家庭もヤバかった。僕も家庭はボロクソだった。
ネットで出会ったのは女の子が多くて、ネットでは僕はコミュニケーションがとれた。

「下川くん、学校は?」

「今日は休みだよ。雨だし」

「クソダメ人間だねー。勘違い高校生。ちゃんと行かないと」

「君も行ってないじゃない」

「あたしは、もう受験が終わったから関係ないもん。あんなところ一秒もいたくないよ。友達はいるけどね。今日は彼氏の家にいくから」

「でも、なんか、バカみたいじゃん」

「ねぇ、ほんとバカみたい。でもあたしはバカになりたいな。そしたらたぶん、何もきらわずにすむんだわ!」

みんな親が嫌いで、学校が嫌いで、クラスメイトが嫌いで、教員が嫌いで、とにかく全部引っ括めて総合的にやっぱり自分が嫌らしかった。みんな真っ当な価値観と無意識に同化することができず、その中でどう生きていけばいいのかもがき苦しんでいたのかもしれない。

やさぐれた女子中高生の、ドブ色しか映さない目玉。否定的な態度。大きなピアスの穴。真夜中のAphex twin。残されて冷え固まってしまったごはん。壁の穴。手首の傷。濃くなる化粧。MDウォークマン。履きなれない靴。悪口。バッドエンドの映画。咳止めシロップの空き瓶。眠剤。インスタント食品。自殺マニュアル。斜陽。帰れない家。体育の見学。なんかよくわからん奴とのまぐわり。ふぐり舐め。幼い頃にもらったぬいぐるみ。仲良くなれない野良猫。異常に白い肌。偏食。似てない似顔絵。ノートに書き殴った呪い。弾けないピアノを演奏するピアニスト丸い肩。おれはそれらすべて嫌だった。なめとるし、理由なく腹が立った。
でも本当はそれは涙がでるほどのそのこの、誰にも向けられることがないやさしさからきているとある日気づいた。本当は誰も否定できず、君はいいこだよね。とみんなに言われ。仲の良い小児科のおじいちゃん先生に「もう全然健康だから、なんの心配もないよ」誰からも何からもやられるだけやられつづけて、ボロボロになった成れの果てで、誰からも嫌われていくだけの、厄介者。理解されたくないだろうけど。
受け入れていくことは難しいけど、完璧なんかでいられるわけがないけどできる限り受け入れていくんだ。僕は受け入れて欲しかったからね。神様なんて信じない僕の右手の罪を左手が贖うように。白い絵の具が黒を吸って灰色になっていくように。それで僕がどんどんボロボロになって汚れてやさぐれ軽蔑され蹴り飛ばされても、でも僕はチョコレートパフェみたいにグチャグチャになっちゃったひとの言葉を信じるでしょう。昔の話だけどね。

「でも、なんか、バカみたいじゃん」

「ねぇ、ほんとバカみたい。でもあたしはバカになりたいな。そしたらたぶん、何もきらわずにすむんだわ!」

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