挫・人間 blog


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だけどジュリー

もうとっくの昔に過ぎ去ってしまったひとのことを、一年に一度くらい思い出してしまうことがある。
そいつらが引っかかる釘は、いつも頭の中の未練や後悔に突き刺さっていて、不意に、何かの拍子で、僕の意思に関係なく、ぶらさげる。
処女信仰みたいなものを僕は持ち合わせていないけれど、もしも好きな女性の頭の中に深く食い込んだ釘があって、そこにいつまでもぶらさがり続ける奴がいるとすれば、そいつのことは恨めしいと思うことだろう。その釘を抜くことは僕には出来ないだろう。

「もっとアブないものがみたいの。私の夜は長いんだからね」

あの、僕よりひとつ上の女のひとは僕にそう言うと、誰かと英語で電話し始めた。彼女はなんか、よくわからん女で、ライブハウス前の地面に座り込んで英語の歌を歌ったりしてて、最早痛々しかった。
しかし、オッパイがデカくて好きだった。彼女が一度しゃがみこんだときに見えた豹柄のパンツは、僕にとって、同じ高校生の履くものに思えなくて、彼女がすごくすごく大人にみえた。僕の知らない世界に繋がっているような気がして彼女をみるとワクワクした。

そしてある日の夜、タクシーに乗って何処かへ行ったきりだったけど、結婚したのだと連絡がきた。あの落ち着かないバカ女をしまっておけるような男がいるのか!それはすごいなかっこいいなと素直に感動した。Facebookの登録名の、苗字が変わっていた。ふしぎな気分だった。Facebookで夫の写真を保存して、彼女が夫といんぐりもんぐりしているところを想像した。何故か、吸ったことのないタバコを吸いたくなった。悲しくもなく、それは自然だった。喜ぶべきだった。もしくは、おどけていつものように、あの女結婚しやがって、と、怒ってみるべきだった。意味もなく一ヶ月ヒゲを剃るのをやめてみたりした。彼女とは何もなく、次元の違う人なので何も期待していなかった。その上、皆さんよくお分かりのように僕は最近までとてもデブだったし、自分に自信を持つようなことはあってはならなかった。期待をしても打ち砕かれるだけだった。しあわせを感じると、それを失うことが怖くなって、自ら目を背け、不幸になると落ち着いて悲しんだ。

そんなのもそこそこに楽しみ、通り過ぎ、どうでも良くなった頃、離婚したと連絡がきた。愛に耐えきれず首を吊ったらしい。糞尿を垂れ流して死ぬ寸前のところを発見されて、離婚が決まったらしい。旦那は16歳上の彫刻家。そのときまで全く気付かなかったことだが、僕がいつも手の届かないところにいて、どこでもニコニコと呑気に楽しんでいるものだと思っていた彼女は決して僕が想像している程バカな女ではなかった。
彼女の長い夜は、ただの闇だったんだろうなとそう思った。何かに責められるような時間を振り切るために彼女は夜でもどこか灯りのついた場所にいるしかなかったんだ。
酔うと英語でしか喋らないバカ女だった。勝手に旅に出て、いつもどこにいるかわからない。フォレストガンプという映画を思い出した。愛ってなんなのだろうか。なんて言っちゃう彼女の恥ずかしさは健在で、それがむしろ物悲しかった。

もう、理想は消えちゃったからさ。と言っていた。理想が消えるまで、人は走り続けなければいけないのだろうか。
それがもし、マッハの速度で地獄に向かっていたとしても?それがわかっていても?
崖から転落する、その直前まで?もしくは、転落してみるまで?

自分の死がみえて、何かを悟ったように優しく微笑む人間の顔がおれは一番嫌いだ。
今までありがとうとか、今までごめんね、とか、ピアノの曲が聴こえてくるようなことを言う。バカバカしい。台無しだ。そんなに生きることに未練があるのなら、最初から逃げていてくれ。誰が泣くものか。と思う。
壊れる前に逃げるんだ。お前を責める声が届かなくなるところまで。どこまでも。後ろ指をさされたとしても。
逃げろ!とても耐えられない現実がお前の目の前にあるのなら、逃げろ!すべて投げ出して、泣きながらでも、謝りながらでも、 逃げ出すんだ。なにもかもかなぐり捨てて、誰よりも惨めな姿で、再起不能の有様で、戸惑いも捨てて、逃げるんだ。一目散に、金を払ってでも、裏切ってしまっても、誰かを殺しても、今すぐに!逃げろ!やりきれなさも、もうたくさんだ。バッドエンドの連続。立ち上がれない。それならば這ってでも逃げるんだ。逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ!!間違いだとわかっていても、結んだ手を振り払ってでも、苦痛に顔をゆがませながらも、逃げろ!必要とあらば、誰かを悪者にして、逃げる理由にしたっていい。すべて何かのせいにしてでも、逃げろ!憎んでしまえばラクだ!逃げろ!しかし、やっぱりまわりはかこまれている。どうせお前はお前自身から逃げ出すことはできない。一生お前一生現実。でも生き延びるためならば、どこまででもその現実から逃げてほしい。どうせダメだとわかっていても、ガンツとかで、すぐ殺される奴くらい情けないツラをしてでも逃げるんだ。逃げるのが偉いんだ。逃げろ!!
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